ミルガウスはなぜ注目されるのか?

ミルガウスはなぜ注目されるのか?

ロレックスの中でも異色の存在として知られる「ミルガウス」。その独特なデザインや機能性は、時計好きの中でも賛否が分かれます。

「なぜミルガウスは人気がないのか?」「本当に買う価値はあるのか?」と感じている方も多いのではないでしょうか。その疑問に対して、この記事では明確な答えを提示します

実際に「思っていたより使いにくかった」「他のモデルの方が資産価値がある」といったユーザーの声がある一方で、コレクターからの再評価も進んでいます。

本記事を読めば、ミルガウスの本当の価値と魅力、そして選ばれにくい理由までを深く理解できます。

この記事で分かること

  • ロレックス「ミルガウス」の基本情報と特徴
  • なぜ「人気がない」と言われてしまうのか、その5つの理由
  • 購入者や専門家によるリアルな評価と意見
  • ミルガウスの今後の価値や将来性
  • 買うべきかどうかの判断基準とチェックポイント

ロレックス「ミルガウス」とは?基本スペックと特徴

ロレックス「ミルガウス」とは?基本スペックと特徴

ミルガウスの開発背景と誕生の歴史

ミルガウスは1956年に登場したモデルで、科学者やエンジニア向けに設計された特別なロレックスです。当時、強い磁場が発生する環境では腕時計の精度が大きく狂うことがありました。その課題に応えるため、ロレックスは耐磁構造を備えたミルガウスを開発しました。

「ミル(mille)」はフランス語で「1,000」を意味し、「ガウス」は磁束密度の単位です。つまり、1,000ガウスまでの磁場に耐えられる設計という名前が由来です。

耐磁性能の仕組みと実用性

ミルガウスの耐磁性能は、ムーブメントを軟鉄製シールドで覆うことで実現されています。これにより、MRI室や発電所といった高磁場環境でも高い精度を保てます。

実験によると、最大1,000ガウス程度の磁場下でも±1秒以内の誤差に収まったという結果も報告されています。

ただし、現代では他のモデルにも耐磁性を持つものが増えており、ミルガウスの特異性は薄れてきている点に注意が必要です。

他のロレックスモデルとの違い

ミルガウスの最大の違いは、視覚的にも分かるオレンジの稲妻型秒針です。この独自デザインは、遊び心と技術志向を両立させた象徴となっています。

また、サイクロップレンズがないクリアな風防、グリーンサファイアクリスタルの採用など、ロレックスの中でも非常に珍しい仕様が揃っています。

現行モデルの種類と定価

2023年に生産終了が発表された現行ミルガウスは、116400GVというリファレンスナンバーで展開されていました。ブルーダイヤル(Zブルー)とブラックダイヤルの2種類がありました。

当時の国内正規定価は約1,080,000円(税込)。一方、中古市場では150万円〜180万円で取引されることも多く、プレミア化が進行している状況です。

ミルガウスが「人気ない」と言われる理由5選

ミルガウスが「人気ない」と言われる理由5選

デザインが個性的すぎる?

ミルガウス最大の特徴は、オレンジ色の稲妻型秒針やグリーンサファイアガラスなどの大胆なデザインです。これが唯一無二の魅力である一方で、「奇抜すぎて合わせにくい」と感じる人も多いのが実情です。

特にスーツスタイルやビジネスシーンには不向きという声があり、クラシックで汎用性の高いモデルを好む層からは敬遠されやすい傾向にあります。

サイズ感や装着感に好みが分かれる

ミルガウスはケース径40mmで厚みも13mm以上あります。見た目以上に重厚で存在感が強いため、手首が細めの人にはバランスが悪く感じることがあります。

レビューサイトでも「重くて一日中つけるのは疲れる」「袖口に引っかかる」という意見が複数見受けられました。これはデザインだけでなく、装着感という点でも賛否が分かれる原因です。

リセールバリューの低さ

ロレックスといえば資産価値の高さが魅力の一つですが、ミルガウスは例外的にリセールが弱めです。たとえば2022年の買取相場では、定価1,080,000円に対し平均買取価格は90〜110万円と横ばいか微減傾向でした。

リセール重視でロレックスを選ぶ層には、ミルガウスは選ばれにくいモデルです。

他のロレックスと比べて注目度が低い

サブマリーナやデイトナのように話題性や広告露出が多いモデルに比べ、ミルガウスはプロモーションの機会が少なく、一般ユーザーへの認知度も控えめです。

その結果として、販売店でもあまり目立たない位置に置かれることが多く、「あえて選ぶ理由が見つからない」という状況が生まれやすいのです。

用途が限定されすぎている印象

ミルガウスは耐磁性能という専門性の高い特徴を持つモデルで、科学者やエンジニアを対象に開発された背景があります。これはロマンとして魅力的な一方で、「自分にはオーバースペック」「性能を活かす場面がない」と感じる人も少なくありません。

デザインや性能のコンセプトが明確すぎるがゆえに、幅広い層にとっては日常使いしにくいという印象を持たれることがあります。結果として、汎用性の高いモデルと比べて選択肢から外れるケースが多くなっています。

実際のユーザーの声に見る評価のリアル

実際のユーザーの声に見る評価のリアル

SNSやレビューでのネガティブな意見

インスタグラムやX(旧Twitter)などのSNSでは、「デザインが好みじゃない」「服に合わせにくい」といった声が見受けられます。レビューサイトでも「写真と実物の印象が違う」「稲妻針がダサい」といった感想があり、購入後にギャップを感じたユーザーが一定数存在します。

とくにファッション性を重視する層からは評価が割れる傾向にあります。

購入者インタビュー:後悔した?満足した?

購入者のリアルな意見では、「所有欲は満たされるけど、出番が少ない」との声が多くありました。たとえば40代男性は「仕事で使いづらく、週末用になっている」と語ります。一方で、「この無骨なデザインがロレックスらしくて良い」という支持層も存在しています。

使い方やライフスタイルによって満足度に差が出やすいモデルです。

人気モデルとの比較評価(サブマリーナ・エクスプローラーなど)

サブマリーナやエクスプローラーと比べると、ミルガウスはややクセが強い印象です。たとえばサブマリーナは防水性や汎用性の高さが評価されており、スーツにもカジュアルにも対応できます。

一方、ミルガウスはデザイン性重視のため、場面を選ばないモデルではありません。価格面でも、同価格帯であればサブマリーナを選ぶ人が多いのが現状です。

愛用している芸能人・著名人の例

ミルガウスを愛用する著名人には、クリス・ヘムズワース(俳優)やロジャー・フェデラー(テニス選手)などがいます。海外では個性派モデルとして一定の支持を得ており、セレブリティの間でも「通好みのロレックス」として注目されています。

ただし、日本国内では認知度が低めで、同じロレックスの中でも「一部のファン向け」という立ち位置にとどまっています。

ロレックス・ミルガウスは買う価値があるのか?

ロレックス・ミルガウスは買う価値があるのか?

投資目的ではどうか?

ミルガウスは、ほかのロレックスモデルと比べて投資向きではないといわれてきました。しかし、2023年の生産終了を機に、状況が変わりつつあります。中古市場では、一部モデルが130〜180万円で取引されるなど、定価を上回るケースも出ています。

長期的に希少性が高まる可能性があるため、将来的な価格上昇に期待する層も増えています

実用性・耐久性の観点からの評価

ミルガウスは科学者向けに設計されただけあり、磁場に強く耐久性に優れています。Cal.3131ムーブメントは高精度で信頼性も高く、日常使いにも耐えうる仕様です。

ただし、13mmを超える厚みがあるため、シャツの袖に引っかかることがあります。

ビジネスシーンでの使用には注意が必要です。

ファッションアイテムとしての魅力

稲妻型秒針やグリーンサファイアガラスなど、ミルガウス独自のデザインはファッション性が非常に高いです。他のロレックスモデルにはないポップな印象があり、個性を演出したい方にはぴったりのモデルです。

とくにZブルー文字盤は「人とかぶらない」「差別化できる」と高評価を得ています。

他の「マニア向けモデル」との比較

ミルガウスは、エアキングやヨットマスターと並ぶ“通好み”モデルです。これらはどれもロレックスらしさを持ちながらも、主力ラインとは一線を画します。

そのため万人向けではありませんが、個性や希少性を重視する人には強く支持される傾向があります。

ミルガウスの再評価の動きと将来性

ミルガウスの再評価の動きと将来性

廃盤の噂とその影響

2023年にミルガウスの生産終了が正式に発表され、市場に大きなインパクトを与えました。廃盤の影響で、中古価格は急騰。特にZブルー文字盤は一時的に200万円近くまで高騰しました。

廃盤モデル=希少性が高まるという投資心理が働いたことで、評価が一気に見直されています。

オークション市場での注目度

世界的な時計オークションでは、ミルガウスがじわじわと存在感を強めています。たとえば、フィリップスやクリスティーズでは過去モデル(Ref.6541など)が1000万円を超える価格で落札された実績があります。

現行モデルでも、今後のヴィンテージ価値を見越して注目するコレクターが増えています。

海外での評価と再注目の兆し

日本国内では「地味な存在」とされがちなミルガウスですが、海外では再評価の動きが進んでいます。特にアメリカやヨーロッパでは、科学者・医療従事者向けのルーツが共感を呼び、知的なイメージを重視する層に人気があります。

海外メディアの特集やYouTubeレビューでも取り上げられ、「今買うべきモデル」として紹介されることが増えています。

ロレックス愛好家の中での位置付け

ロレックス愛好家の間では、ミルガウスは“通が選ぶモデル”という評価が定着しています。主力モデルに飽きた層や、差別化を求めるコレクターから支持を集めています。

万人受けするモデルではないため、一般層には今後も敬遠されがちです。

しかし、だからこそ希少性や特別感が際立ち、将来的なプレミア化に期待が持てます。

ミルガウスに関するよくある質問(Q&A)

ミルガウスに関するよくある質問(Q&A)

ミルガウスは本当に人気がないのですか?

一部のロレックスファンの間では評価が分かれるモデルですが、決して「不人気」と言い切れるものではありません。たとえば、廃盤発表後の中古価格は最大で1.5倍に上昇しています。

万人受けはしにくいものの、個性や希少性を重視する層からは高評価を受けています。

購入するなら新品と中古、どちらが良い?

予算と目的によって異なります。新品はすでに正規店では入手困難となっており、並行輸入や中古が主な選択肢です。2024年現在、中古価格は130万円〜180万円前後で推移しています。

状態が良ければ中古でも満足度は高く、保証書付きの個体を選ぶのがポイントです。

廃盤になる可能性はありますか?

ミルガウスは2023年に正式に廃盤となりました。これはロレックスの公式サイトからラインアップが削除されたことでも確認されています。

現在市場に出回っているのは在庫や中古のみです。将来的に再登場する可能性はありますが、未定です。

定価で購入する方法はありますか?

現在、正規店での新品販売は終了しています。かつての定価は約1,080,000円(税込)でしたが、廃盤後はプレミア価格での取引が主流です。

並行輸入店や中古市場で価格交渉を行うのが現実的な手段となります。

ミルガウスは普段使いに向いていますか?

耐磁性に優れ、防水性能も100mを備えており、普段使いには十分なスペックです。ただし、重さや厚みによる装着感がネックになる場合もあります。

たとえばケース厚は13mm以上あり、シャツの袖口に干渉しやすいためビジネス用途では使いにくいという意見もあります。

投資目的で持っておく価値はありますか?

短期的な値上がりは落ち着いてきましたが、今後ヴィンテージとしての価値が高まる可能性はあります。特にZブルーや未使用品、保証書付きの個体は希少価値が高いです。

長期保有を前提にした投資ならば検討する価値はあるでしょう。

まとめ:ミルガウスは“選ぶ人を選ぶ”ロレックス

まとめ:ミルガウスは“選ぶ人を選ぶ”ロレックス

ミルガウスはロレックスの中でも異彩を放つモデルです。デザイン性、耐磁性、個性を備えており、他とは一線を画す魅力があります。以下に本記事の要点を整理しました。

  • 唯一無二のデザインが特徴で、稲妻型秒針やグリーンサファイアクリスタルが個性を際立たせます。
  • 科学者向けに開発された背景から耐磁性に優れた実用モデルです。
  • サブマリーナやエクスプローラーと比べると、人気面ではやや控えめ。
  • 2023年の廃盤により、中古市場での価値が急上昇中です。
  • 投資よりも「個性重視」で選ぶべきモデルであることに変わりはありません。

結果として、ミルガウスは万人におすすめできるモデルではありません。ただし、他人と違うロレックスを持ちたい、趣味性を大切にしたいという方には最適です。市場の動向を注視しつつ、自分に合った1本かどうかを見極めることが大切です。

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